モロッコの建築物には、床に、壁に、天井にと、
それはそれは美しいモザイクが施されていて圧倒されます。
なんでもアバウトな印象を受けるこの国の中に、
どうしてこんなに細かい職人技が生きているのか、不思議でした。
モザイクに使われるタイルの色は褪せることなく今でも美しい発色で、
とても古いものとは思えません。
足下だけではありません、天井もこのように寄せ木細工のような
モザイクが施されています。
モロッコのシダの木を使った細工ものが多いようです。
日本で暮らしていると、イスラム文化にはほとんど触れることがないので、
異国情緒という言葉でひとくくりにしてしまいがちでした。
それでもたまたまラマダンの期間に訪れたので、滞在中、
イスラム文化(イスラム教)を意識しない日はありませんでした。
そしてこれはマラケシュのバヒア宮殿の中で見たカリグラフィーのうちのひとつです。
右下の丸い円の中に、イスラム教の「アラー」が描かれているのだそうです。
イスラム教にもいろいろな種族がいて、
それぞれが違う特徴を持ったカリグラフィーを持っているので、
さまざまなカリグラフィーでコーランが描かれているのです。
上の写真じゃわかりにくいかな。
一緒のツアーだった他の人が撮った写真をお借りしたら・・・
アラビア文字は右から書くので、右端の縦のラインがA、その左横にL、さらに左にh。
Allahと書いてあるのだそうです。
親指と人差し指で丸を作るオッケーのサインをした手の形になっているんだ、
と教えてもらいました。なるほど、確かに。これだけはわかるようになりました。
カリグラフィーだけでなく他の装飾も、細かい細工は美しくて、ため息がでます。
なんでもないような入り口のアーチ型の部分にもこのような凝った細工、
大きな窓には洒落た唐草模様の飾り格子。
これは確かにバヒア宮殿といってお妃さまが4人、
側室が24人もいた王様の時代(日本でいえば光源氏の時代みたいなもの?)
に建てられた宮殿だから贅沢な作りなのかと最初は思ったけれど、
他にも行った神学校にしても、普通に今でも使われているモスクにしても、
どこへ行ってもこれと同じぐらい凝った装飾がされていて、びっくりします。
そこかしこで凝った装飾を見ていると、そういう小さいところにまで、
イスラム文化の奥深さが凝縮されている気がしました。
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文字が模様になるのは海外の文化の特徴かもですね。
日本語だと…イマイチですよね。
勿論ロゴなどでデザインされたものもありますけど。
モザイクも、ああいう文化、景観の中にあるからこそ
映えるんでしょうね!!
イスラム教は偶像崇拝はしないそうなので、
仏教でいうところの仏像とかの類のものが皆無なのも不思議な感じでした。
まさに、カルチャーショックです。