お正月にモロッコへ行った時に、
お昼ご飯はガイドさんの実家におじゃまして、
お母さんの手料理をごちそうになりました。
彼女の料理はシンプル・イズ・ベスト。
凝った料理ではないけれど、とても美味しい。
これは何種類かのスパイスに漬け込んで味をつけた羊肉を
炭火でじっくり焼いたものです。
私たちが家に着いたら、炭火で焼き始めたのです。
炭火!ゆっくりじっくり焼くのです。
日本ではいつも慌ただしく食事をしているので、
炭火が出て来たときはちょっとビックリ。
さらに、もちろんすぐ焼けるわけではないので、
お腹が空いている上、せっかちな私は最初はモロッコの人たちの
このスローなゆったりした感覚に戸惑ってしまったけれど、
「アンジー、もっとリラックスしてください。」
とガイドさんに言われてしまいました。
「日本では忙しい、忙しいで大変だけど、
せっかくモロッコに来たのだから、
ゆっくり寛いでリフレッシュしてくださーい」と言われてしまいました。
そうだよなー、と我が身を反省。
羊肉を串にさして焼いている間に、次は羊肉のひき肉が出てきました。
塩、コショウ、クミンなどのスパイスを振りかけて味をつけ、
よくこねて小さいハンバーグ状にして、同じく炭火で焼きました。
出来上がった写真がないのですみません。
ついうっかり写真を撮るのを忘れて焼けた端からパクパク食べてしまいました。
ミンチも何のつなぎも入れなくても、しっかりまとまるし、
しっかりと肉の味がして、どこまでも美味しい。
シンプルな調理ほど素材の美味しさが味わえるということですね。
毎日のように食べた羊ですが、美味しかったのでちっとも飽きませんでした。
日本では羊はにおいがあるから苦手だって言う人が結構いるけれど、
そういう日本人でもモロッコでは、美味しく羊料理を食べられると思います。
この時の羊肉は、12月に犠牲祭の時に解体した羊肉を、
冷凍していたものを解凍して使ったものだったけれど、ちっとも臭みがありません。
なぜ?と思って聞いてみたら、きっと餌が違うんだろうとのこと。
モロッコでは羊に人工飼料や何かケミカルな餌は与えていないからだそうです。
そうか、臭みがあるっていうのはある意味おかしな(不自然な)ことなのだ。
この話を友達にしたら、
最近の人間も火葬したら臭いとか燃えにくいそうです。
どこかの鳥葬をする国では、鳥が人間の死体(は美味しくないから?)を食べなくなったので、
鳥葬はやめてしまったとか。
どれだけ不健康な体になってるんだろうって思います。
私も、沖縄で山羊汁を食べた時に、
美味しいのににおいがきつくてこのにおいがなければいいのにーと思ったけれど、
ハーブで育てた山羊の肉を使っていることが売りの食堂で食べたら、
他の食堂よりも臭みが少なかったので、驚いたことがあります。
その時、やっぱりエサが違うと肉の味も変わるんだ、と感心したのですが、
モロッコでちっとも臭くない羊肉を食べて、そのことを思い出しました。
当たり前の味を当たり前に食べられるって凄く贅沢なことだと思いました。
今回の旅は、忙しく移動してあちこち観光地を巡るツアーではなく、
モロッコの実際の生活を知りたいと思っていたので、
あくせく暮らしている日本式の生活ペースを忘れることにしました。
すると、馴れるとこのゆったりしたペースはなかなか落ち着きます。
家の真ん中は吹き抜けになっていて(字のとおり天井はありません)、
炭火を使っても、煙は外へ抜けていきます。
だから家の中に煙がこもることもありません。
料理の載ったテーブルの写真の明るさも、自然光の明るさです。
雨があまり降らず、乾燥しているモロッコだからこその家の構造でしょう。
どこの家もこのような構造になっているのかどうかはわからないけれど、
以前、モロッコで泊まったリヤドでも建物の中央には
吹き抜けの中庭があって、屋根もないのにその中庭にはソファ(下の写真のように)が
置いてあったので、モロッコでは普通なんだろうなぁと思います。
雨が降れば少々濡れるけれど、空気は乾燥しているからすぐ乾くし、
とても自然を感じられる暮らしなのです。
多少、不便だったりしても、健康的で豊かな暮らしがモロッコにはあります。
なんて贅沢なんだろうと思いました。
【関連する記事】
羊の肉、というとジンギスカンってイメージですよね。
炭火でじっくり、とはかけ離れている気がします。
こちらを読んで、そうか、餌なのか、とハッとさせられました。
私たち日本人を含め現代人は、添加物をたくさん取っているでしょうから、鳥葬もなくなり、火葬でもそういった事態になっているのかもしれませんね。
友人と、防腐剤が入っているものをたくさん食べたら私たちも腐らないんじゃない?とか冗談で言っていました。最近の冷凍餃子問題で怖いなぁ、と思ってはいますが、なかなか全てを断ち切ることはできない生活を送っているんですよね、知らず知らずのうちに。
不便だけど健康でslow、せかせかと便利だけど不健康、何が幸せなんでしょうね。。
「炭火でじっくり…」に、日本は昔は「いろり」の食事シーンがあったのになぁって思った。
今もカセットコンロでお鍋するけれど、ちょっと違う。
ケミカルな生活にどっぷり浸かった身としては、懐かしさを感じつつ、もう戻れないのかなーっと、ちょっと切なく感じます。
…そんな思いとは関係無く、羊が食べたくなりました。
いつか、ジンパ(ジンギスカンパーティ)しましょう!
零さんの言うように、何が幸せなのか、モロッコに滞在している間じゅうずっと考えてしまいました。彼らの生活スタイルを見ていると、「健康な体には健全な精神が宿る」って言う言葉が浮かびました。羨ましかったです。
防腐剤が入ってるものをたくさん食べたら私たちもきっと腐らないって冗談にならないような気がします。最近の冷凍餃子問題も怖いですよねぇ。いくら便利でも、もう冷凍食品は買えないです。食品加工業者や老舗料亭の偽装表示にしろ、何を信用していいのかわからないし。
自分が食べるものぐらい自分で料理しろってことですね。
でも前原のモロッコ料理店へはモロッコを懐かしむため!?また行きたいと思っていたりします。
炭火でじっくりでいろり文化を思い出すってのはまさに!古きよき時代(昭和?)の日本に似ている感じでした。
スローライフで命の洗濯が出来るなぁって思いました。それだけ私、癒されたんだろうと思います。
ジンギスカン食べたいねー!スキーもしたことがない南国育ちの私には冬の北海道はムリだけど、夏の北海道に涼みに行きたいところだ。北海道にはビールあるし。モロッコではビール、ないこともないんだけど、残念ながらアルコールは一切飲みませんでした。この私が。。。
大学のアレでも行かんかったん?へぇ〜
ジンギスカン、私も参加させて!
寒い時に寒いところにわざわざ行ってまで
スキーしたいと思わなかったもので。
ジンギスカン!どうぞー、ご参加ください。
いつにしようかねぇ。